君と指切り〜桜
先生と一瞬だけ目が合った
咲良ちゃんも私に気づいたみたいだった。
久しぶりに見る咲良ちゃん
柊弥と付き合っているはずの咲良ちゃん…何で先生と一緒に?
「奈都芽ちゃん…」
咲良ちゃんが声をかけてきた。
大樹は私の手をとり公園とは逆方向に歩き出した。
「なんでアイツ…ナツ行くぞ!」
「奈都芽ちゃん待って!!」
咲良ちゃんが追いかけて来て私の手を掴んだ。
「咲良ちゃん…」
「柊弥のこと…ごめんなさい」
「何のこと…かな…」
柊弥のことを触れられたくなかった。
「私、寂しかった
受験失敗したのが私一人だけで奈都芽ちゃんと一緒の高校に行こうって言っていたのに…行けなくて
奈都芽ちゃんが他の友達と楽しそうにしている顔が嫌になった
持ってる物を全て壊したくなったんだ」
「…」
「どんなに頑張っても奈都芽ちゃんに追いつかなくて」
「…」
「…ただ謝りたかった」
「別に謝らなくても良いよ
柊弥は咲良ちゃんを選んだんだし
咲良ちゃんだって柊弥のこと好きなんだよね…だったら仕方ない事だし」
「…好きじゃない」
信じられない答えに私は唖然とした。
「咲良ちゃん、それって最低だし酷いよ…」
「好きでもない人を騙したらダメだよ…」