君と指切り〜桜
《智輝side》
ベンチに腰掛け咲良ちゃんと顔を合わせる。
「あのね…お姉ちゃんのこと好きなんだよね?」
「えっ!?何でそんな事」
「お姉ちゃんと別れたのって私のせいだよね?私がこんなんだから」
「違うよ咲良ちゃん!僕は咲良ちゃんの症状は知らなかった」
「やっぱり聞いたよね?」
「うん、さっき咲良ちゃんがケーキ屋に行ってる時にノリが言ってた」
「そっか…私…時々死にたくなるんだ誰かが居ないとダメなんだ…だからお姉ちゃんの新しい彼も去っていった」
「咲良ちゃん?それは違うよ」
「そうかな…今は薬で落ち着いているけど…」
「咲良ちゃんのせいじゃない、理由は他にあるんだよ」
「それなら良いけど」
「うん、咲良ちゃんは、それを心配していたんだね」
「…あとね、私」
「ん?」
「周りの皆を裏切ってきた、友達の彼を騙して、その挙げ句奪った」
「そっか」
「ビックリしないの?」
「僕はビックリしないよ」
「なんで?」
「僕のほうが酷いよ
10年前の彼女が忘れられないくせにノリと付き合って悲しい想いをさせて…」
「10年前の?」
「彼女は病気で死んだんだ」
「…」