君と指切り〜桜

相田と生田は桜の木を見上げたまま…


相田達の事も気になったが約束の時間になったから
ノリが待つ駅へと咲良ちゃんを送ることにした。


駅に近づくと、咲良ちゃんの足が止まった。


「智輝さん、奈都芽ちゃんに言ってみなよ!」

「いや、言わない」

「言わないと前に進めないよ」


ノリと似たような事を言ったから、僕は笑顔になった。


「言わなきゃ…ダメ元…生徒だからって、諦めないでさ待てば良いんだよ」

「だが…」

「私も色々頑張るから、お姉ちゃんと頑張るから!」


「そうか…そうだね」


咲良ちゃんが初めて笑顔を見せた。

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