君と指切り〜桜
駅ではノリ達が待っていた。
「咲良!行こうか」
「お姉ちゃんちょっと待って…」
そう言って咲良ちゃんは
僕の顔を見て
「智輝さん、ちょっと内緒話、耳貸して」
僕は咲良ちゃんの身長に合わせ少しかがんだ。
「ん?」
そして耳元で
「今日話した事は2人の秘密ね、あと…奈都芽ちゃんといつか遊びに来てほしい」
僕は頷いた。
「約束したからね」
ずっと堪えていたのだろう咲良ちゃんの
うっすら潤んだ瞳から涙が一滴流れた。
ノリに気づかれないように指で拭ってあげた。
咲良ちゃんは少し笑顔を作りノリの元へと歩き出した。
「智輝そろそろ行くね、咲良の事ありがとう、また連絡する」
「ああ、気をつけて帰れよ」
2人が手を降り
駅の中に入って行った。
それを見届けると
紗和は
「智輝、咲良ちゃんの顔色良くなってたね」
紗和は細かい話しは聞いてこない。
「うん、そうかもね」
僕は約束したから君の話は誰にも言わない。
君達は
きっとまた友達になれるはず。