君と指切り〜桜
柊弥の心配など余計なお世話なのかな。
トボトボ歩くうちに
大樹に追い付かれた。
「ナツ!!まだ着替えてないの?」
「体育、休もうかな…」
「具合が悪いのか?」
「悪くないけど…寒いし」
「ナツ?今日は暖かいだろ!?」
「ちょっと」
大樹は私のおでこに手を当てて頬にも当てる。
「どぉ?」
「熱はないな…」
「あっ!そう…じゃ体育やる」
「無理するなよ、何かあったら、すぐに言うんだぞ!!」
「わかってる、着替えてくるね」
体育館の横にある女子専用の更衣室に行ったが
何だかやる気が起きなくて
ベンチに腰掛け、そのまま横になった。
目の前に並んでるロッカーが霞んで見えた。
いよいよなのだろうか。
綺麗な花も
大好きな人の顔も
もうすぐ見えなくなるのかな…