君と指切り〜桜
放課後、相田の家に行ったが何故か留守だった。
“いったい何処へ!?まさか病院なのか?"
帰ろうとした時
生田が息を切らして僕の前に現れた。
「坂上……せ、先生」
「生田!?どうした?」
「ナツ、ヤバイよ…もうすぐ俺の事もわかんなくなる」
生田はその場にうずくまった。
僕は生田の隣にしゃがみ
生田の横顔を見た。
生田は泣いていた。
「相田が?症状が出たのか?」
「検査をしないと…でも俺にはわかる」
「相田は病院に居るんだな?」
「検査入院だって…」
「そうか…」
生田は僕の方に顔を向けた。
「ナツの力になれるの坂上しか居ねぇし頼むよ!」
そう言って頭を下げた。
「助けたい…でも僕にそんな力はない」
「そんな事無い、ナツは坂上と居たいんだよ」
「僕が?」
「側に居るだけでいいんだ」