君と指切り〜桜
一時間ほど経った頃
相田の祖母が現れた。
やはり母親の連絡が取れないと言う。
今まで何度もマンションを訪ねていたらしいが
人の気配が無いらしい。
年のせいもあるのだろうが
かなり窶れているように見えた。
生田が、お婆ちゃんの背中をさすり
そっと椅子に座らせ
お茶を飲ませた。
「大樹君、ありがとう…ありがとうね」
疲れているのか、か細い声だった。
「婆ちゃん、大丈夫だから心配すんな」
優しい生田
きっと生田は相田が好きだと思う。
そんな生田の気持ちを大事にしないといけないと思った。