君と指切り〜桜
トボトボと教室に向かう途中で生田大樹(ダイキ)が肩をポンポンとするから思わず振り向くと
大樹の人差し指が私の頬に軽く刺さった。
“うっ!!大樹…"
「大樹!」
「また一緒だなっ」
「みたいね」
「先に行くぞ!!」
そう言って私の前を走り去った。
彼は幼なじみ。
教室に入ると凛(リン)がいて、私のもとに駆け寄ってきた。
凛とは1年の時も同じクラスで、私達はほとんどの時間を一緒に過ごしてた。
私達は4人のグループで仲良しだったけど他の2人は、それぞれ別になってしまった。
残念だけど気の知れた友達が1人でも居ると心強く感じる。
「ナツ!おはよ」
凛が満面の笑みを浮かべ
走り寄ってきた。
「おはよう、リン!!!」
「ナツと一緒で良かった〜
あっ!柊弥は?何組だった?」
「シュウ…ヤ…2組
実は、別れたんだよね」
凛は自分の耳を疑っているようで、私の顔を下から伺っていた。
「えっ!?何で?」
「柊弥は好きな人ができたって」
「そ、そうなんだ…なんかゴメン」
「いや、リンは気にしないで…リンにすぐに言えなかったごめん」
2人とも俯いてしまい、しばらくの沈黙が続いた。
リンが悪い訳じゃないけど教室に居たくなくて1人でトイレへ向かった。
少し頭を冷やさなきゃ!
もう終わった事なのに私だけが引きずってるみたいだし。