君と指切り〜桜
「柊弥、聞きたい…」
私の言葉を遮るように
「ごめん」
柊弥は俯き目を合わさずに私の手を握りしめた。
「咲良ちゃんと付き合っているんだよね?」
握られた手を伝って柊弥の顔を見上げた。
「奈都芽には…悪いなと思ってる」
「もう、謝らなくてもいいよ…わかったよ柊弥」
「俺は奈都芽の事は好きだから…」
何それ?どういう事!?
「ちょっと待って!?
柊弥の好きの意味って、そんな軽い気持ちなの!?
咲良ちゃんへの好きは本気なんだよね?じゃないと咲良ちゃん傷つくよ」
「そうだよな、今の俺がナツに好きだって言ったって…奈都芽ごめん」
柊弥は私の手をゆっくり離し、静かに振り返り歩き出した。