君と指切り〜桜

始業のチャイムと同時に担任の坂上先生が現れた。

「おはよう!」


先生を近くで見たのは初めてだった。

背が高くて
“おはよう!"
と言う声の響きが良くて
何より柔らかな笑顔が素敵に思えた。


先生が出席簿を手に取り出席番号順に名前を呼ぶ。

当然の事ながら私は一番に呼ばれた。

先生の動きが一瞬止まったようにも見えた。

目が合った時の先生の瞳は優しく温かくて
他の生徒を呼ぶ声のトーンは私の頭に低く響いてきて心地良かった。

ホームルームの間、目が離せなくなってきて
少しずつ私の気になる存在になっていった。


これって
一目惚れなのかな!?

恋って不思議!
突然こんな気持ちになることもあるんだね。


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