君と指切り〜桜

長い長い3時間が過ぎた。


そして、いよいよ4時間目!
始業のチャイムが鳴り終わる頃、先生が現れた。


私は最近ある病気にかかってしまい視力が落ちてきていて半年前から授業中は眼鏡をかけるようになった。


でも、その姿を好きな人には見られたくない。


私は一旦出した眼鏡を机の奥に仕舞った。


「ナツ?眼鏡はしないの?」


そう声をかけてきたのは隣の席の生田大樹。
男子の出席番号1番!

「…あっ…うん、フレームが壊れた」


適当な嘘をついた。

だけど大樹は、そんな嘘に気づいているかも?


「そっか、まぁ黒板近いし大丈夫だな!」


「書ききれなかったら、あとでノート写させて」


「オッケ」


大樹は笑顔のままで自分のノートに目を移した。


大樹は1年の時も一緒
…って言うか中学はクラス違ったけど
小学校の時は同じクラスだった。


陸上の短距離のエースでもある大樹は端整な顔立ちで背も高く人気がある。


小学校の時は私のほうが大きかったのに…


中学に入ってからはグングン追い抜かれた。
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