君と指切り〜桜
「うぅ…痛いっ」
「ナツ!大丈夫か?」
「…あは…コケた」
顔を赤らめ生田にしがみついていた。
「ったく…ナツはそそっかしいな」
「…大樹」
…相田もナツと呼ばれているのか…それより
大樹は相田の身体を抱え、ゆっくり起こした。
顎のあたりに血が滲み、それを生田が自分のハンカチで押さえていた。
生田は僕を見上げ
「保健室に連れて行きます」
そう言って相田を抱えあげ起こした。
僕は動揺していたのか、その間の自分自信の動きを憶えていない…
数秒後、何も出来ない自分に初めて気づいた。
生田は奈都芽を連れて、ゆっくり教室から出て行った。
「生田、頼むぞ」
そんな事しか言えない自分。