君と指切り〜桜
ナツは、柔らかな笑顔を残して旅立った。
相田は、居なくなる筈がないとわかっていても
そう思っていても目の前の相田とナツの微笑みが重なった。
そんな事を悟られなくて、先生らしい態度をとろうと必至に頭で考える。
そんな僕に
「先生、治療済んだら俺が家に送って行きます」
「そうね、帰ったほうが良いわ念のため病院に行かないと」
そう言ったのは、保健の金井先生だった。
“念のため!?"
「ナツは俺が送ります」
生田が名乗り出た。
「いや、親御さんに連絡して迎えに来てもらおう」
「ナツの家はバァちゃんしか居ねぇし…」
「あのさ…私なら大丈夫だから…1人で帰れるから…大樹の病院で診てもらうし…」