君と指切り〜桜

わかりやすい…か

大樹は

私の恋愛の事
家族への思い
全ての喜び悲しみを見ていたから。



保健の先生に顎の傷を手当てしてもらった。


「先生、ありがとうございました」

ペコッと頭を下げた時に
少し目眩がした。


よろける私を
もう一度、大樹が支えてくれた。


「ナツ!」

「あは…お腹空いてクラクラ」

「…バカだな」

「…」


「無理すんなよ」



「坂上先生に様子を伝えないとね、ベッドに少し横になってて」

先生が、薬を片付けながら優しい笑みを浮かべた。


「生田君、もういいわよ」


「…はい、あと少しだけ横に居ます」




大樹が、そっとベッドに寝かせてくれた。

そして頭を撫でられた。


「大樹いいよーなんか子供みたいじゃん」

「子供だし!」


「いいって」


大樹の手を振り払おうとしたら、避けられた。


「いいから」


恥ずかしかったから嫌なふりをする。

でもホントは嬉しかった。

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