君と指切り〜桜
保険証を取りに一旦、家に戻ったのだが誰も居なく
相田は自ら鍵を開けて中に入っていった。
相田はドアの向こうから僕を呼び寄せた。
「先生上がってください」
「…保険証あったか?」
誰も居ない相田の家に上がる訳にもいかない。
「ありました」
そう言いながら生田と共に玄関に出てきた。
そして生田のほうに向き直り
「大樹は学校に戻りなよ」
「ナツ、大丈夫だ俺も行くよ」
相田は僕の表情を確認するように此方を見たが
ここまで来たら、もう仕方がない
何を言っても聞かないだろう。
僕は少し頷いた。
「ん…わかった。なんか大袈裟になっちゃったね」
「何かあってからじゃ遅いんだぞ」
「…だね」