君と指切り〜桜
第二章
桜
《智輝side》
僕は学校の独身寮に住んでいる。
16人分の部屋がある寮には僕を含め5人が生活している。
部屋に真っ直ぐに戻り
ソファーに座り煙草に火をつけ考える。
相田と簡単に約束をしてしまったが、これでよかったのか?
あれほど自分に問いかけたのに。
そっと顔を上げると
写真の中のナツが笑っていた。
当たり前だが、10年前と変わらぬ姿。
僕の横で笑うナツ。
“ナツ…"
君と同じ笑顔を久しぶりに見たんだ…