君と指切り〜桜
朝のホームルームの時間になり、僕は教室に向かおうとした時
廊下で生田が僕を待ち構えていた。
「生田どうした?」
「あのさ、さっきナツに聞いたけど…桜見に行くって…どうゆう事!?」
「すまない、実は行けなくなったんだ、相田に言わないといけない…」
「先生!ナツの事は好きなの?そうじゃないだろ!?
簡単に約束しないでくれ…
中途半端にナツと関わるなよ」
「えっ!?」
「だから、その気にさせんなって事だよ…傷つくのはナツなんだ」
「…」
“傷つく?"
正直、意味がわからなかった。
でも、生田の言う通りだ。
中途半端な約束なのかもしれない。
僕にとっては、簡単な約束。
でも相田にとっては、大切な約束だったかもしれないのだから。
「生田、悪いな僕がいけなかった」
「…ナツには言っておく」
そう言って、目の前を走り去って行った。
やり方は、ズルイがこれでいいと思った。
生田の言葉が胸に突き刺さった。