君と指切り〜桜

昼休み、生田が職員室に現れた。


そして、朝とは違う静かな口調で


「ちょっと良いですか」


生田が廊下を指差し
僕の返答も聞かずに振り向き歩き出した。

生田の後に続き廊下へ出ると20メートル程先の
保健室の前で止まり
何の躊躇もなく保健室へ入って行った。

昼休みなので校医の金井先生は居なかった。

「生田…」


「ナツ…相田に言いました」

「悪かったな、後で謝るよ」

「いえ、謝らなくても良いんです…ただ」

「ただ…?」

「もう、授業以外の所では構わないでください」

「…」

「アイツは、いつまで、あの席に座っていられるかわからないんだし…」

「…どういう事だ!?」

「もしかして…知らない!?…生徒の健康をちゃんと把握してください」

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