君と指切り〜桜

以外だった。

あの頃の咲良ちゃんは
明るくて、人懐こくて
僕と初めて出会った時も笑顔の絶えない少女だった。
それが今は何かに想い苦しんでいる。

他人の僕には何もできない。
ノリも、こちらの仕事を辞めてまで咲良ちゃんに付き添い田舎に帰る。

もしかしたら、もう会えなくなるノリたち。

男のくせに目頭が熱くなり泣きそうになった。
そんな顔をノリには見せられないから、グッと息を飲み込み、テーブルを見つめた。
< 92 / 143 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop