女総長、いざ参らん!


そして、木刀を一本私に差し出してきた。

私はそれを受け取り軽く素振りをして、構えた。


審判はまた土方がやるみたいだ。


土「両者構え、始め!」


ビュッ スッ


土「そこまで!勝者、一ノ瀬!」


合図と同時に相手は私に木刀を振りかぶってきた。

私はそれを跳んでよけ、相手の後ろに回り込み首元に木刀を当てた。

入隊試験の時と同じ戦法だ。


終の合図があると私は木刀を下ろし元の場所に戻す。


隊士A「あ、あの、一ノ瀬さん!すみませんでした!!」

祐「え、いや、大丈夫です、はい。」


隊士Aの対応の変わりように少し動揺してカミカミになってしまった。


隊士A「俺、山野 八十八~yamano yasohachi~
って言います!同じ一番隊なので、良ければまた試合してください!」

祐「こちらこそ、よろしくお願いします。」


そういうと山野は子供のような笑顔を浮かべガッツポーズをした。


正直、最初の山野の印象はいいものではなかったが、今この様子を見ていて悪い人ではないんだなと思った。

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