女総長、いざ参らん!

裕「私は土方さんが嫌いじゃないしこれからも絶対になりません。
勿論、土方さんだけでなくここにいる人たち全員です。」


そう言うと沖田は優しく笑いそうですか。と言った。


沖田のリアクションが意外と薄くて少し困る私。


沖「裕紀ちゃんならそう言うと思ってました。」

裕「えっ?」


思わず驚きの声が出てしまい急いで口を塞ぐが、時すでに遅し。

沖田がクスクスと笑っている。


やってしまった。と思ってる私をよそに沖田は立ち上がり言う。


沖「そろそろ夕餉の時間です。行きましょう。」


そう言い沖田はスタスタと歩いていく。

私は慌てて立ち上がり沖田のあとを追う。

すると、あっ、と沖田が言い思わず動きを止める。

沖田はこちらを振り向いて、口元に人差し指を添え、艶気のある顔で言った。


沖「今のことは二人だけの秘密ですよ。」


ドキッ


それを見た私は胸がたかなった。

何だか胸が締めつけられるようで苦しい。



これは、なに?



沖「裕紀ちゃん? 早く来ないとおいてきますよー。」

裕「あ、はい!今行きます。」


沖田の声に私は我に返り、急いでそちらへ向かい広間へ向かった。





─この気持ちに気づくまであと少し─




< 224 / 273 >

この作品をシェア

pagetop