女総長、いざ参らん!
こんな事は今まででも一度もなかった。
未来にいた時も、こっちに来てからも。
なぜこんなことが起こったのか。
母に話されたことと関係があるのか。
いや、あるだろう。
それ以外考えられない。
土「お前、その力どうしたんだ?」
土方に聞かれ、斎藤も顔をしかめている。
私はゆっくりと一息ついて、二人の方を向き、そのまま正座し前に手をつく。
裕「お二人とも、お願いがあります。
今から私の秘密を知る方々をここへ呼んでいただけないでしょうか?
皆様に聞いていただきたいことがあります。
そこで、昨日のことも話します。」
私は、どうかお願いします。と言って頭を下げた。
最後の言葉は土方に向いていった。
斉藤はまだそのことを知らないから。
土「わかった。
だが、斉藤、確かここはもうすぐ他の隊士が来るよな?」
斉「はい。自主練しに来る者がいます。」
土「だ、そうだ。一ノ瀬、俺の部屋でいいか?」
裕「はい。」
土「なら俺は近藤さんを呼んでくる。
斉藤、他の奴ら頼めるか?」
斉「御意。」
土「一ノ瀬は先に俺の部屋行ってろ。」
裕「はい、ありがとうございます。」
私は深々と頭を下げた。
それから各々部屋へ向かった。
私は不安が残る中、急いで台所へ行って秘密であるものを取りに行った。
その次に、井戸で少し小さめの桶に水を入れた。
水は、土方の部屋の縁の下に隠しておく。
台所から持ってきたものは土方の部屋まで持っていき、バレないように後ろに隠して、ほかの人達が来るのを待った。