女総長、いざ参らん!
私はさっき座ってた場所に戻り口を開いた。
裕「で、平助は私に何を聞こうとしてたの?」
平「あぁ、その鬼退治はいつするんだ?」
裕「わからない。でも、近日中にやると思う。」
平「そっか!ならもっと鍛えなきゃだな!」
平助はそう言って楽しそうに笑った。
それに乗じて左之や新八も楽しそうに笑う。
斉「副長、局長。一ついいですか?」
三馬鹿が楽しそうにやっている中で、斉藤が声を発したことにより部屋の中が静かになった。
近「ん?なんだ?」
斉「幹部のほとんどが屯所を離れるのは危険です。
ここにいる何人か、置いていくべきだと思います。」
近「あぁ、確かにな…」
左「でもよ〜、俺たちが戦うのは鬼だぜ?
人数は少しでも多い方がいいんじゃねぇか?」
斉藤の一言により、討論が始まった。
私的には一人か二人だけ残ってもらった方がいいと思う。
が、これを決めるのは局長の近藤さんか副長の土方さん、もしくは総長のサンナンさん。
私が決めることではないので口出しはしない。
しばらく続くと、黙っていた土方が口を開いた。
土「流石にここにいる全員が離れるのはまずい。
だからサンナンさんと源さん、残ってくれねぇか?
二人がここにいりゃ安心だし、俺達のことを隊士に上手く伝えてやれるのもアンタらしかいない。」
私は土方の意見に賛成だ。
二人とも頭脳派で、鬼とやりあうよりはこっちで屯所を守ってた方が合っている。
サ「まぁ、私も鬼とやらを一度見たかったですが、妖狐を見れたので十分ですね。
そういうことなので、私は残ります。」
源「トシに言われたら仕方ない。
屯所の方は何とかするから、皆も無事で帰ってくるんだよ。」
二人はそう言って優しく微笑んだ。
近「決まったな。
全員、死にたくなければいつも以上に稽古に気を引き締めろ。
それと、当たり前だがこの事は決して口外せぬように。」
近藤さんの一言に全員がそれぞれ返事をする。
それに続くように土方が指示を出した。
土「そろそろ朝餉の時間になるから、全員部屋に戻って支度してこい。
山崎はここに残れ。」
そう言うと山崎以外の人が部屋を出てった。
もちろん私も沖田と一緒に部屋に戻った。