女総長、いざ参らん!
『自分の気持ちに素直になってください』
僕はこう言った。
この時は別に他意は無く、ただ純粋に裕紀ちゃんを仲間として認めてあげて欲しかった。
だが、今思えば、そのせいで土方さんの裕紀ちゃんに対する気持ちに“恋”というものが増えたかもしれない。
総「何やってんだろう…」
そう小さく呟いた時、襖が静かに開いた。
総「あ、裕紀ちゃん。おかえりなさい。」
ニコッと作り笑いを彼女に向け、いつもと同じように接した。
彼女にこの顔を向けるのは久しぶりだ。
チラッとこっちを見て一言言った。
裕「あの、話したい事があるんですけど…」
話したいこと??
なに??
もしかして、告白が成功したとか…??
それだけは聞きたくない。
聞きたくないけど、聞かない理由をそんな咄嗟に作れない。
だから僕はさっきと同じ顔で言った。
総「なんですか??」
彼女は僕に向き合って正座しながら言った。
裕「えっと、その前に、その笑顔はやめてもらえるとありがたいんですけど…」
総「……」
この子はなんでそうゆうところだけ鋭いんだろうか。
こっちにとってはすごく都合が悪い。
この顔をやめれば、僕はどんな顔をして君を見ればいいのかわからない。
裕「あの、沖田さん??」
総「あ、すみません。
そういえば、僕、源さんに呼ばれてたんです。
話は後ででもいいですか??」