女総長、いざ参らん!
裕「あ、はい。大丈夫なんで行ってきて下さい。」
総「ありがとうございます。」
そう言って僕は部屋を出た。
勿論、呼ばれてなんかない。
ただ、裕紀ちゃんの話を聞きたくなかっただけ。
本当に僕ってなんなんだろう…
そんなこと思ってればいつの間にか源さんの部屋の前についていた。
総「源さん、入りますよー。」
そう言いながら麩を開けたら源さんが一人で筆を執(ト)っていた。
源「総司が来るなんて珍しいね。
何かあったか??」
総「別に〜。何も無いですよ〜。」
そう言いながら、何故かその場にあったお茶を源さんからもらって飲んだ。
源「そうか。
一ノ瀬くんと何かあったんだね。」
総「ゴホッゴホッ!!」
源さんの言葉にむせてしまった。
いや、最近は風邪気味だったっていうのもあると思うけど。
総「…源さん、もしかして人の心読めたりするんですか?」
聞かずにはいられなかった。
本当にこの人には嘘は通用しない。
源「そんなことは無いさ。
ただよく人を見てるだけだよ。
それくらいしか俺にはできないからね。」
総「……」
この時の源さんの目はどこか遠くを見ているようだった。
源「あぁ、すまない。今のは「そんなことは無いですよ〜。」 え?」
総「源さんは優しいし、気も利きます。
僕は源さんのそうゆうとこ慕ってるんですよ〜。
多分、僕だけじゃなくて他の人たちも。
それに、ここにいる人たちは自分勝手な人ばっかです。
だから、もし貴方がいなければきっと今の新撰組はグチャグチャになってたんじゃないですかね〜?」