女総長、いざ参らん!
僕はできるだけ明るく、ケラケラ笑いながら話した。
何が可笑しいって理由でも無いけど、重い雰囲気にさせたくないから。
呆然としていた源さんも次第に顔が緩まってきた。
源「ありがとう、総司。
まさかお前にこんな事言われる日が来るなんてね。大人になったもんだなぁ。」
僕の頭を撫でながら優しく笑って言った。
久しぶりの感覚に、少し照れる。
源「よし、じゃあ次は総司のことを聞く番だね。
なんでも言ってみなさい。」
源さんのその言葉に操られたように僕は全て話した。
裕紀ちゃんに好きな人がいたこと。
もしかしたら、もう告白して、成功してるかもしれないこと。
源「……」
僕の話を聞いた源さんはポカンとしていた。
だけど、すぐに戻り口を開く。
源「そうか。
だが総司、その話のほとんどは仮定の話だろう?」
総「まあ、そうですけど…」
源「だったらそれが間違ってるっていう可能性もある。」
総「…じゃあ、源さんは僕の話は身勝手な想像だって言うんですかァ?」
少し、拗ね気味に言った。
でも、源さんは真面目に答えてくれた。
源「そうは言ってない。
一ノ瀬くんに好きな人がいることは、なんとなく俺も分かってたさ。
ただ、その中の候補に一人、抜けてる人がいるんじゃないかって事だよ。」
総「え、でももう考えられる人は見あたりませんよ。」
源「まぁ、それ以上は勝手なことは言えないからね。
あとは自分で考えてみなさい。」
そう言って源さんは僕を部屋から追い出した。
僕は仕方なく、また自分の部屋に戻ることにした。
僕を追い出した後、源さんが微笑ましげ笑い、呟いていた事を僕は知らない。
総司SIDE END