雨音で奏でて…二人きりの世界
それでも…帰れたのは

11時を過ぎていた

玄関を開ける芽里が思ったより

小さくなっている気がして…

胸が苦しくなった

「お帰り拓真…お疲れ様だね」

「芽里…ごめんな俺、最悪だよな
もう、嫌になったか?」

「……そうじゃない。でも良くもない」

俺と芽里はしばらく一緒に

暮らすことを決めた

どんなにすれ違っても同じ場所に

帰れるのなら…喧嘩になっても

影で涙を流す芽里をほっておくより

100倍いい…

ただし、ご飯の用意もお風呂も

すべての家事はそれぞれで!と

強く約束した

芽里の負担を増やすのは嫌だからな

その約束も半分は…やぶる

優しい芽里に心から感謝して

クリスマスも無くて…

休みが取れたのはほぼ年末だった

でも…ボーナスは破格でびっくりした!

営業部はそれぞれご褒美として

10日間の長期休暇を頂き

正月休みを合わせると半月休みが取れたことになる

秘書室の芽里たちも同様で…

俺たちは3日ほどゆっくり過ごし

少し空いてしまったミゾをうめる事に

成功した…

よかった…本当に。

sideend

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