雨音で奏でて…二人きりの世界
温泉旅行に出発〜

海に面した土地柄なのか

国道のあちこちに立つ

海鮮丼の旗が風になびいている

それから少し山の方に走れば…

山菜飯やキノコ鍋の看板が出てきて

不思議な感じだ

「お昼は海にする?それとも
山がいいか」と

その質問に笑いながら

「夜はどっちなんだろうね?
普通…は海だよね」と言えば

「それもそうだ!
なら昼は山にしよう」となり

トラックや地元らしいバンが沢山
止まっている
定食屋さんに入った

拓真は山賊定食、

芽里は地獄定食…という

謎の定食を頼みワクワクしながら

宿に着いてどうするかを話していると

隣の座敷のおじさんが…

夜が明けてからすぐに行われる

漁師の朝市の場所や、

氷に穴を開けてやる釣りがあると

教えてくれ、両方やろう!と

拓真が張り切り地元のおじさんと

意気投合し連絡先を交換して

山菜の天ぷらやお味噌汁

山菜釜めしに山茶の酢の物…と

山賊定食を食べ

芽里の地獄定食…

ぐらぐらと煮えたぎったキノコ鍋

猪肉の味噌焼きに、

真っ赤な豆の入ったご飯

の半分ほど平らげて…

満足げに店を出た



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