雨音で奏でて…二人きりの世界

そんな事を考えているうちに

芽里も眠ってしまったらしく

内線の音で目覚めると

拓真のあぐらの中に横抱きにされていた

少し照れくさかったけれど…

ノックの音と同時に豪華な食事が

運ばれてきてお腹の虫が鳴った

舟盛りには大好きな貝類が並び

焼き魚や揚げたて熱々の天ぷらが

次々と運ばれ蟹や海老も食べ

小さな一人前用の鍋は

すき焼きで、茶碗蒸し、蟹の釜飯

松茸の土瓶蒸しなど…

食べきれないほど並ぶご馳走に

大満足の拓真と芽里

お腹がはち切れそうなほど食べて

デザートのフルーツとケーキは

露天風呂を堪能してから
食べることにして…

ふたりで仲良くとろみのあるお湯に

肩まで浸かったり、タオルを巻いて
半身浴をしながら

長〜いお風呂となった

時々摘むフルーツの甘さが

リラックスさせてくれて…

次の日の朝市に出かける為

早めにベットに潜り込んだ…

早朝５時半に目覚め、軽くお化粧をして

早速出かけようと玄関に行くと

何組かの宿泊客がいて

若女将が旅館の名前が入ったバスで

送ってくれることになった

一度では乗れなくて

拓真と芽里は子ども連れの家族たちの

後で行くことにして

ラウンジでコーヒーを飲みながら

待つこと２０分…

行ってきますと女将さんに挨拶をして

朝市に出かけた…