雨音で奏でて…二人きりの世界
芽里は

へぇ〜そんなにかっこいいんだぁ

そっかぁ、それにお風呂の前で
待ってるなんて

優しい彼なんだ〜

……あれ?もしかしたらさっきの彼は

拓真なのかな?

「ごめんね、長すぎた?」

「いや、部屋で待ってるつもりで
いたんだけどな
戻る途中でやたら酔っぱらった
男たちが目について…」

「ありがとう…待っててくれて」

「俺が勝手に待ってただけだし
芽里が気にすることは無いけど」

「ふふふ、あのねぇ〜
さっきお風呂で若くて
可愛い女の子たちが拓真のこと
言っててね
カッコ良いし、羨ましいって!」

「それで?芽里はどう思うんだ」

「そりゃ…嬉しいし、なんか
優越感?独占欲?の真ん中で
にやけちゃうんだよね」

「そうか…それなら俺も満足だな」

拓真は芽里と手を絡ませ
男たちの前を通り過ぎる

「見たか?可愛かったよな!
俺もあんな彼女が欲しいよな〜」

待っていて良かった…

本当に芽里は…よくモテる。

しかも、本人がそこを
分かってないから…

ま、そこが可愛いんだけど…


浮かれている芽里には
全く聞こえていない様子で…

拓真は心底待っていて良かったと
胸を撫で下ろした
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