雨音で奏でて…二人きりの世界
そう…だった

昨日の夜、

拓真が帰って来なかった…

芽里は朝まで眠ることはなかった

日曜の朝、10時に

真っ青な拓真が帰ってきた…

「芽里…ごめん。俺、
朝まで中村と居た…」

「…拓真が嘘つきなら…良かったのに
真夜中に電話があったの
中村さんって子からだと思う
隣で拓真が寝てるって」

「芽里…誓って何もない
そこは自信がある。
でも…芽里を傷つけた。
本当にごめん」

「拓真を信じてるの
でも…少しだけ
考えさせてもらっていいかな?」

芽里はそのまま聡子に連絡

抜け殻のような芽里をお風呂に入れ

ご飯を食べさせてから

ゆっくりと話を聞いてくれた…

「ん〜、保留だわね…
中村さんかぁ〜何となく
想像はつくけどね」

「何の想像?」

「いや、芽里は知らなくてもいい事よ
女は最終的に体を張るからね
ま、それに負けなかった須賀を
評価するか、中村さんに同情するか
迷ってるとこ」

「ね、拓真は…私で
本当に満足してるのかな?」

「アホらしいわねその質問
芽里がそう思ってる間は…
須賀は不安だよね
だって…遠慮してるって事でしょ?」

「そうなのかな?私ばかりが拓真に
甘えてるから…申し訳なくて」

「男がみんな
浮気なんてしないよ?
まぁ、須賀と離れてみて芽里が
平気なら別れることもありかもね
良く考えて…答えを出すのね」

「うん…そうだね。
ありがとう聡子」

とぼとぼと歩く芽里を見送り
聡子は同期のみんなを呼び出し

須賀と芽里の話を聞かせた

意外にもみんな落ち着いていて…

須賀に限って芽里を裏切ることはないと

大地は言い

繁之はなにか含んだ笑いをして

健吾は…心配ないさ〜と
ちょっと旬を過ぎたギャグをかまして

その他は…忘れたけど

結局、ほっておくことに決めた

いくら心配しても

当人同士の問題だから

落ち着くとこに落ち着くだろうしね





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