雨音で奏でて…二人きりの世界
thirdーrain
芽里side

なんでかな?

怒ってるわけじゃ無くて…

信じてない訳でもない

拓真の言った何も無いは…本当だろうし

中村さんが憎いわけでもないし、

それなのに涙は止まらず

部屋から出てこない芽里を心配している

母に上手い言い訳も浮かばない

泣き疲れて寝てしまったらしい

少し枕カバーは湿り

目元がヒリヒリしている

絶対に別れたく無い!!と言う

強い気持ちよりも…

自分を傷つけたと謝る拓真の苦しみが

気になりはじめて…

自分が若くないことを感じる

それからひと月ほど

拓真からの連絡になんの返事もせず

過ごしている。

逃げも隠れもせずに会社には

行くわけだけど…

営業部と秘書課に接点はなく

会社で顔をあわせる事はほぼない

そして…そこから又、ひと月ほどたち

やっと芽里は…拓真に返事を返せた

一度会います…と

本当に久しぶりに拓真のウチに行く

薬指に光る物はケースに入れ

鞄に入れた

芽里は拓真に本音を
ぶつけてみることに決めてきた…

玄関に立つ拓真は…?



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