雨音で奏でて…二人きりの世界
拓真は言う

「芽里が生まれる為には
お父さんだって必要だったのだから
俺は感謝している」と…

「拓真には解らない!
あの人がどんなに冷たかったか
まわりの友達に
羨ましいと言われながら…
私がどんなに苦しくて寂しかったのか」

「芽里…ごめんな。
お前の気持ち全部はわかってやれない
それでもやっぱり俺はお父さんに
ありがとうを言いたい」

芽里は又、拓真を頼もしく感じた…

実は…芽里の父と電話で
話したことがあった

たまたま芽里のお母さんと
会っていた時に電話がかかってきて
代わってもらった

その時に言われた…

「娘を選んでくれてありがとう」

この言葉は愛していなければ
言わない事だと拓真は感じたのだ

お母さんとの間にどんな訳があっても
娘を愛しているのだ…と

「芽里…愛してる」

綺麗な涙を流す目の前の女の子が
4つも歳上の彼女だなんて
思えない拓真

いつも隣にいて守ってあげたいと

抱きしめていてあげたいと
この儚さが、危うさが

芽里の最大の色気につながる






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