雨音で奏でて…二人きりの世界
そして…嫌がる芽里を連れて
ホテルまで来た

「挨拶だけしたら帰りたい…駄目?」

俺は別に芽里がそうしたいのなら

則夫さんと輝子さんには…
申し訳ないけど

「親同士の話もあるだろうし
俺が上手くやるから
芽里は俺の手を離さない事!」

大きくうなづいて拓真に抱きつく

とても4つも歳下には思えず

ついつい甘えてしまう

特に芽里と一緒に居るようになってから

男らしくなった?と思う

嫌味なほど昔のまんまの姿で現れた父

「久しぶりだな、真子、芽里も」

「相変わらずお変わりないのね」

「初めまして、須賀 拓真です。」

「この前はありがとう…」

ん?何で、この前…?

お互いの両親が挨拶して
ご飯を食べながら笑いあう

周りから見れば幸せな光景なんだと思う

芽里は…複雑な思いで母を見ていた


美味しいはずのお料理も

幸せなはずのこの日も

芽里にとっては複雑で…

拓真と手をつないだまま
父への思いを閉じ込めていた

時々、ぎゅっと拓真が安心をくれる

芽里は…

彼は貴方とは違うんだ!と言いたいのを
ぐっと我慢して…最後まで座っていた












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