雨音で奏でて…二人きりの世界
相手の社長さんも息子を
応援しているようで…

「小田さん、夜は仕事抜きで
息子と一杯付き合ってあげてよ
ずっと楽しみに仕事頑張ったからさ」

って、私に関係ないよね?

さりげな〜く専務に
助けを求めたりして…

「すいません、社長。
小田はまだ仕事が残ってまして…
今回、小田の は初の同行でして
経験がまだ浅く
まだまだ夜出かける余裕は…」

「芽里さん、
俺がなんとかしてあげるよ?
どうせ部屋でゆっくり過ごすのなら
僕と楽しもうよ!」

貴方とは楽しめないでしょう!

とも言えず…

仕方なく少しなら…と約束させて

満足げに手を振りながら

「契約は明日の夜に」と
親子は帰っていった…

専務が呆れた顔で

「悪かったね小田さん。
別に行かなくてもいいからね?
君とのデートが契約の条件なんて
知ってたら連れてこなかったのになぁ」

「メリちゃんはどこに行っても
人気者だから…ね?
陸人…お前がなんとかしなさい
大切な秘書課の女性たちを守るのも
次期社長であるお前の仕事だろ?」

「社長、大丈夫です。
私ももう秘書課で
独り立ちさせてもらって5年です…
こんなことぐらいで
騒いではいられませんから」

「女性には…逃げられない
場面というものがあるからな
甘くみてはダメだ
相手は立派な会社の社長の息子だが…
契約の条件に君とのデートを
打診するなんて!卑怯者め…
本当なら一発お見舞いして…」

「社長!ダメですからね
私が困りますから!」
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