苦難を乗り越えて
日々に終われて…得たもの。
早紀16歳。そこそこ頭のいい高校に通いながらファーストフードで休みもほとんどなく働く毎日。「いらっしゃいませ」「ご注文お決まりになりましたらどうぞ」「ありがとうございました」毎日同じことの繰り返し。なんで休みもなく他人に愛想振り撒かなきゃならないのって感じ。お給料もらっても頑張って働いてもその給料も全て家にいれなきゃならないし。周りの友達はみんなカラオケだのボウリングだのって遊んでるのに。母子家庭で育った早紀はいつも不幸だと思っていた。世の中には悪い事に手を出して稼いでる奴もいるし、何不自由なくいい暮らししているお偉いさんもいるってゆうのに、母と子が一生懸命必死で働いても普通の生活することさえも一杯一杯だ。不公平な世の中だ。そんな、その日その日の生活に追われる毎日が嫌になっている中。学校のパソコン授業でのこと。自由にパソコン操作して下さいとゆう先生の声。インターネットに接続。一度はやってみたかった出会い系サイト。その中に“高収入のお仕事”の一面。出会い系なのに仕事の募集?疑問の中クリックしてみる。自分のペースで時間のある時に働けるお仕事。たった1時間で六千円。頑張れば月給百万円も夢じゃない。こんな条件のいい仕事があったんだ。気付かなかった。でも年齢の部分があてはまらない。十八歳から。そうだよね。高校生で月給百万円なんて聞いたことがない。その時、後ろからいつも相談に乗ってくれたり、助けてくれる友達のミキが声をかけてきた。「それ、ミキそこで働いてるんだよ」でも年齢が。と言おうとしたら「年なんてごまかせばなんとでもなるし、証明書必要だけどコピーでいいから先輩から借りてコピーすればばれないし」それなら早紀にもできるかも。期待を膨らませ紹介してもらえないかミキに頼んだ。ミキはあまりお勧めできる仕事じゃないし、ハードだから早紀には無理かもよ?と言っていたが、仕事内容を聞くのも忘れて「大丈夫。辛いことには慣れてるから」って軽く返事を返した。いくら辛くてもミキもやってる仕事なんだし、お母さんも楽ができる。百万とはいわず三十万稼ぐのを目標にして、一時間六千円だから六十時間。一日六時間として…。どんな仕事かも知らずに高収入ってことだけに惹かれて今後の給料の計算をしていた。