クールな君は病人嫌い
ゆうくんの過去
小さい頃から、ずっと隣にいてくれたゆうくんが好きだった。
小さい頃は明るくて無邪気で…
だけど、ゆうくんはある日を境にして笑わなくなった。
それは、ゆうくんのお母さんが、亡くなった日。
もともと心臓が弱く、ずっと入院していたゆうくんのお母さん。
ほぼ毎日、ゆうくんと病院にかよい、お見舞いをしていた。
だけどその日は、私が熱を出して学校を休み、ゆうくんはお母さんのところにはいかず、私の家に来てくれていた。
そして、お母さんはその日、ゆうくんに会えずに亡くなってしまった。
わたしはずっと泣いていた。
そのときも、ゆうくんは隣にいてくれて…
ゆうくんだって本当は泣きたかったはずなのに…
ゆうくんは、泣かなかった…ううん、泣けなかったんだ。
わたしが、いたから…
私のせいでお母さんに会えなかったのに、ゆうくんはわたしを責めなかった。
きっと、泣いたら私を責めることになると思って泣けなかったんだと思う。
ゆうくんは、泣きながら謝る私をぎゅっと抱き締めてくれた。
でも、その日以来ゆうくんの顔から笑顔もそして涙も、消えてしまった…。