クールな君は病人嫌い
「あ、ゆう!おはよ!」
鈴ちゃんが挨拶したのは朝陽優ーAsahi Yuuーくん。
わたしの、幼馴染み。
「…はよ」
「相変わらず無愛想だねー」
「るせえ…」
喧嘩じゃないよ?
2人の会話はいつもこう。
もう慣れちゃった。
「……ゆ、みゆ!」
「ふぇ!?」
「もうっ聞いてる?」
全然聞いてなか…、ううん、聞いてなかったんじゃない
聞こえてなかったんだ。
多分今、右耳が聞こえてない。
「今日遊ぼっていったの!」
最近遊んでないし!と付け加える鈴ちゃん。
でも…
「ごめん、ママの手伝いしなきゃいけないし」
嘘。
病気だって言えばいいのに、離れていくのが怖くて、病人って言われるのが怖くて…
「そっか、また今度ね」
残念そうな顔をしたあと、またにこっと笑ってくれて
わたしは少し安心した。