いろはにほへと

そうだよな。


説明、難しいよな。


この子、俺に気付いてないみたいだし。


正直に話したいとも思わない。




ルーチェのハルから、少し、離れたかった。



なのに。



あーでもないこーでもないと必死で頭を回転させて、説明しても、彼女は聞く耳を持たない感じで。




どう甘く考えても、ここに置いてくれそうになかった。




一人が好きだ、とか。



なんだか遠回しだけど、断っているに違いない。




雲行きが怪しい。




大分話をはぐらかしても、彼女は固い表情を変えない。






そして、ついに。







「貴方みたいな人間は苦手です。ですから、お断り致します。帰ってください。」





やばい。





かなりはっきり言うなぁ。



うーん。





笑みを湛えながら、俺は考える。





どうしたら置いてもらえるか。







あー、もう、話を聞けない馬鹿になるしかない。





俺は腹を括った。