いろはにほへと
だから。




しとしとと静かな雨が降る夜。





「それに慣れたら、、一人じゃ、居られなくなってしまいます…」





かわいいこと言ってくれるひなのに何度もごめんねと伝える。



本当だったら、抱き締めてから、キスする所だけど。



さすがに俺、未成年に手を出す訳にはいかないよ。



ひなのには、まだまだ良い出逢いがきっとある。




恋を教えるなんて、無責任なこと言ってごめん。



狡くて、ごめん。



恋を教える、なんて、ふざけた台詞を吐かなきゃ良かったよ。




恋を教える前に、自分が溺れる所だった。



そんなことになったら、ひなのだって俺の事嫌いになるよな。



明日になったら、ひなのは俺が黙っていたことを知るかな。



知ったら、どうするかな。



俺のこと、どう思うかな。



騙されたって思うだろうか。





けど。




今だけは、抱き締める力を緩めなくても許されるかな。




これで、最後にするから。




明日には、さよならだから。

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