いろはにほへと
数拍の後。



「あー、なるほど!」



トモハルが私から手を放し、合点がいったと言う様にポンと叩く。




「ご両親にご挨拶に行けばいいのかー!」




「・・・」




トモハルの理解は、私の理解ではなさそうだ。



余りに吹っ飛びすぎていて、ついていけない。





「…いや、いやいやいや、違いますよね?そうじゃなくって、私が嫌だって」




「そうだよねっ、ひなの未成年だもんねっ。やっぱり、ご両親にご挨拶に行かなきゃ、だよねっ。」




「・・・」



私は、掌をトモハルに向けたまま、固まる。



どうも、自分の思う方向へと、話が進まないようだ、と。





「いつがいいかなぁ?やっぱりお休みの時がいいよねぇ?あ、共働き?」





そもそもトモハルはPVとやらに私を出させることに反対だったのではなかっただろうか。





「土日のが都合良いよね?うーん。休み取れるかなぁ。あ、まこちゃんに聞いてみよっと。」




言いながら、トモハルはポケットに手を突っ込むと、すぐにスマホを取り出して操作すると、耳に当てた。





「あ、もしもし、まこちゃん?」






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