いろはにほへと
私の動きは完全に停止したが、思考も、止まる。
「あー、もしもし?俺。うん。あのね、ひなののことだけど、ご両親に挨拶に行けばいいかもしれないって。うん。もしOKしてもらえたら、の話だけどね」
おかしい。
何かが、とても、おかしい。
「そうそう、だから、土日の方が良いと思うんだけど、休み取れる?え、ひなのの家何処だっけ…、そういえば、知らない。ここらへんじゃないのかな?あれ、違うんだっけ。」
着実に話を進めながら、トモハルがチラリと私を見たので。
「・・・・・」
無言で睨みつけるも。
トモハルは、にっこりと微笑んで。
「うん、うん、そう。よろしくー」
通話を終えると、言った。
「これで、家に帰れるよ。逃げなくて、良くなった。あ、前髪また切ったげよっか?」
とても、良い事をしたように笑う、トモハル。
「この…」
反対に、とても、大きな代償を払ったような、私。
「大馬鹿男ーーーー!!!!!!!!」
人生で初めて、人に罵声というものを浴びせました。
「え、ちょ、何?ひなの?!」
強制的に始まった逃亡劇は。
始まった時と同様。
強制的に幕を下ろされた。
環境がめまぐるしく変わり過ぎて。
結局トモハルが何を一番の目的にしてきたのか。
ただの気紛れだったのか。
仕事の為だったのか。
本当に顔を見に来てくれたのか。
知りたいことが、何一つ、わからないままで。
「あー、もしもし?俺。うん。あのね、ひなののことだけど、ご両親に挨拶に行けばいいかもしれないって。うん。もしOKしてもらえたら、の話だけどね」
おかしい。
何かが、とても、おかしい。
「そうそう、だから、土日の方が良いと思うんだけど、休み取れる?え、ひなのの家何処だっけ…、そういえば、知らない。ここらへんじゃないのかな?あれ、違うんだっけ。」
着実に話を進めながら、トモハルがチラリと私を見たので。
「・・・・・」
無言で睨みつけるも。
トモハルは、にっこりと微笑んで。
「うん、うん、そう。よろしくー」
通話を終えると、言った。
「これで、家に帰れるよ。逃げなくて、良くなった。あ、前髪また切ったげよっか?」
とても、良い事をしたように笑う、トモハル。
「この…」
反対に、とても、大きな代償を払ったような、私。
「大馬鹿男ーーーー!!!!!!!!」
人生で初めて、人に罵声というものを浴びせました。
「え、ちょ、何?ひなの?!」
強制的に始まった逃亡劇は。
始まった時と同様。
強制的に幕を下ろされた。
環境がめまぐるしく変わり過ぎて。
結局トモハルが何を一番の目的にしてきたのか。
ただの気紛れだったのか。
仕事の為だったのか。
本当に顔を見に来てくれたのか。
知りたいことが、何一つ、わからないままで。