いろはにほへと


「いや、だから」



なんとかお断りしようとするも。





「断った瞬間に、俺はプロデューサーに殺される!!」





「・・・・」






私の知ったこっちゃないんですけど、と言ったら、冷たすぎるだろうか。



弱った私は隣のトモハルに助けを求める為、視線をずらす。


が。




「!!!」





―な、泣いてる。。トモハル…




嘘でしょう、と、良い年した大人の男を前に、私は唖然とした。



「うっ、そうだよなぁ、まこちゃん……なぁ、ひなの、、、ここは受けてもらえねぇかなぁ???」



「は?!」




さっきまで断ってあげると意気込んでいた味方が、まさに今、敵に変わる。





「!!トモハル!!お前、、いい奴だぁぁぁ」



「まこちゃん!!」




なんだか、シナリオが勝手にどんどんと進んで行く気がするが。




抵抗するだけの力もない。





道端で友情を示し、肩を抱き合う男二人を迷うことなく置いて。






溜め息と共に、数時間ぶりの姫子さんの家の門をくぐった。
< 178 / 647 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop