いろはにほへと
「いや、だから」
なんとかお断りしようとするも。
「断った瞬間に、俺はプロデューサーに殺される!!」
「・・・・」
私の知ったこっちゃないんですけど、と言ったら、冷たすぎるだろうか。
弱った私は隣のトモハルに助けを求める為、視線をずらす。
が。
「!!!」
―な、泣いてる。。トモハル…
嘘でしょう、と、良い年した大人の男を前に、私は唖然とした。
「うっ、そうだよなぁ、まこちゃん……なぁ、ひなの、、、ここは受けてもらえねぇかなぁ???」
「は?!」
さっきまで断ってあげると意気込んでいた味方が、まさに今、敵に変わる。
「!!トモハル!!お前、、いい奴だぁぁぁ」
「まこちゃん!!」
なんだか、シナリオが勝手にどんどんと進んで行く気がするが。
抵抗するだけの力もない。
道端で友情を示し、肩を抱き合う男二人を迷うことなく置いて。
溜め息と共に、数時間ぶりの姫子さんの家の門をくぐった。