いろはにほへと

「はーい!良いわよ!うふ」





全員のOKが出て、私は漸く鏡の中の自分と向き合った。





「いやー、素材が良いから、やりがいがあったわ。」




「大分化けましたね。さすがです。」





「何言ってんの!メイクの力だけじゃないわよぅ。」




「にしたって、良い出来栄えですね。ビフォーアフター撮っておくべきでしたかね。」




「あのー……」





きゃわきゃわと騒ぐお姉さま方(内男一人)を余所に。




「私、、何処に居ます??」




私は本気で自分探しをしていた。




「ぷっ…」




勿論、お姉さま方(内男一人)、大ウケ。


ひとしきり笑った後、メイクアップアーティスト、という主に顔をいじってくれていた人が、私の肩を掴んで、片手で「これ!」と指してくれた。





「えっ…」



案の定、私は絶句する。




何、このスカート丈。



誰、この人。



キラキラ、してる。




何より、何、この前髪…。






「えええええ!!!!!!!!」





色々無理だ。
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