いろはにほへと
テイク5。




『メイ!』




呼ばれたメイは、教室に入ってきたヒロに顔を上げる。




『まだ残ってたの?』



―えーと。。。


頭をフル回転させながら、小さく頷いて見せた。



とりあえず、カットの声はでない。



ほっとしたのも束の間。




『何してたの?』



ヒロが、メイの机の前の椅子に後ろ向きに座り、メイの書いている紙を覗き込む。




『っ!?』



メイ、動揺して隠す。


じゃ、ない。





「カット!!!中条プリント隠さない!!!」




「わぁ、ごめんない!!!つい!」




「桂馬、椅子に座った所から!」



「……はーい…」



ジロリと睨まれた。



「すいません…」



思わず隠してしまった紙を抱きかかえ、阿立桂馬の恐怖に、ギブアップしそうになる。


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