いろはにほへと
『は、え、と…じゃ、何を書けば良いですか…?』
何か言え!と促されて、咄嗟に出た言葉がこれだった。
『は?』
阿立桂馬、もといヒロが、きょとんとした顔をするので、私は再び同じ質問をした。
『だから、、、数式じゃなくて、、、、フツウだったら放課後何書いてるんですか…』
どうしても解けない謎を、ヒロに託す。
『………落書きとか、じゃない…?』
少しの間の後、つまらなさそうに言うので。
『なんの…』
と訊けば。
『知らないよ。キャラクターとか?あ、でもこの場合は―』
ヒロが言いかけた所で。
「カットカットカットー!!!」
監督の駄目出し。
「中条、途中で窓の外見てー!!切ない顔!!!」
原因は、また私にあるらしい。
はー、と隣で盛大な溜め息を吐く男。