いろはにほへと
「ちょっと、あのっ…」



控え室までの廊下を、どんどん行く桂馬にひっぱられながら。


沢山のスタッフ(?)や、その他の人煌びやかな人達(?)に目撃されて、私はかなり恥ずかしい。



しかもその中のほとんどが、桂馬と知り合いのようで。





「あ、桂馬くんもここで仕事だったの~?ぐうぜーん!」


「何だよ、桂馬。その連れてるコ…っと、あら?」



親しげに話しかけてくるにも拘らず、にこりともせず無視して通り過ぎる。



「け、けいっま、、君??」





私の呼びかけにも、ジロリと睨むのみ。





「あ…いやいやえっと…阿立、さん…?」





呼び方が気に食わなかったのかと言い直したが、今度は振り返る事もしなかった。




―どちらへ?




私の疑問は解決することなく、宙に浮かんだままとなった。
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