いろはにほへと
「私…恋の終わらせ方知りたいんです!教えてくださいっ!」



「え…」




両手をぎゅっと握って、桂馬にお願いするも。



「・・・・・」


「・・・・・」





無言でお互い見つめ合うこと、約5秒。



桂馬ががっくりと机に顔を伏せて、今度こそ頭を抱えた。





―あれ。




「あの―?私、何か変な事言いました?」




「・・・・・」




恐る恐る訊ねてみても、返事が返って来ない。




「私これでも、かなり切実、なんですけど…」



「―なんで」



「え?」




やがて突っ伏していた桂馬が、外れかかったサングラスの隙間、目だけを出して、私を見上げている。




「なんで、終わりにしたいの?」



くぐもってはいるけど、しっかりと言葉は聞き取ることが出来た。



―なんで…?



うーん、と少し考えてから、私は口を開く。





「なんか…ここら辺がもやもやっとするのが…嫌なんです。」




そう言って、胸の当たりを指差した。
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