いろはにほへと
怖い。

辛い。

嫌だ。


どうして。



慣れない一週間。


なんだか、色んなことがあった。

もう、疲れた。



何がどうでも、わからない。



だけど、トモハルに会えたら、全部吹っ飛んじゃって。


それなら、その時間が最後でも、悔いは残らないんじゃないかと。


「…やだ…」


浅はかにもそう思ってた。



後から後から湧き上がる想いは涙となっていくから、止まらない。



「…ごめん…」


ゆるゆると脱力するかのように、かけられていた力は取り払われ、トモハルの呟きは、私の嗚咽と混じる。



さよなら?


これで、、さよなら?



余りに想像していたものと違い過ぎて。


薄暗い車内、自由になった手で涙を拭いながら、不安になった。


まさか、そんなはずはないと、直ぐに打ち消す。



だけど。


私の視界が開ける前に。



トモハルの気配は、消えてしまった。



次の約束も、残さずに。

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