いろはにほへと
スッと息を吸いこんでー
「ルーチェの、ハル、なんです」
一気に言い切った。
「……」
が、澤田が固まった。
目が点になっている。
「あの…」
とりあえず、意識があるのかどうか確認の為、目の前で手を振ってみるが、効果なし。
「あの、、澤田さん…」
肩をポンと軽く叩くと、彼女はハッとしたように、我に返った。
「ーあっ、ごめんごめん、なんかぼーっとしちゃって…」
疲れてるのかな、なんて笑いながら澤田が呟く。
「もう一度、言ってくれる?」
そう言って、申し訳無さそうに言うものだから。
「あ、っはい。えっと、ルーチェのハルです。」
「………」
はっきりと再び答えたのだが、またしても彼女は固まった。